80歳までに約3人に1人が発症
高齢化にコロナ禍が加わって、帯状疱疹を発症する人が増えています。治療薬もあるため死亡には至りませんが、目や耳の合併症を起こしたり、帯状疱疹後神経痛という後遺症を残したりすることもあり、予防はもちろん、早期に適切な治療が必要な病気です。
帯状疱疹とは
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化による皮膚病です。最初は人からの空気感染で水ぼうそうとして発症、あるいは子供の頃の予防接種で弱く感染します。水ぼうそうが治った後もウイルスは体内の神経節に残るため、加齢やストレス、過労などで免疫力が低下すると、再活性化して神経や皮膚に炎症を起こし、帯状疱疹を発症します。若い患者さんもいますが、50代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。
発症すると1週間くらい体の左右片側の一部が神経に沿ってピリピリ、ズキズキ、ズーンと痛みます。筋肉痛や頭痛かと思っていると、遅れて赤い発疹や水疱が出てきます。その後水泡が破れ、かさぶたになって皮膚が治り、遅れて神経の痛みが治っていきます。
合併症と後遺症
目や耳の周囲の帯状疱疹は特に注意が必要です。目の周囲の帯状疱疹では、角膜ヘルペスによる視力低下やものが二重に見える複視などの合併症を起こすことがあります。また耳周囲の帯状疱疹では、難聴や顔面神経麻痺を起こすことがあります。
他にも、60代以上の方は帯状疱疹後神経痛という後遺症を残す可能性が高くなります。帯状疱疹は通常1カ月くらいで初期の痛みが引きますが、一部の患者さんはピリピリやズーンとした痛みが3カ月.数年も持続することがあり、これが帯状疱疹後神経痛です。急性期の炎症によって神経の損傷が残ってしまった状態です。慢性的な痛みが残って生活の質が落ち、いろいろな痛み止めの内服や貼り薬、ペインクリニックでのブロック注射、レーザー治療など、長く治療が必要になります。
治療と予防
普段から食事や睡眠をきちんととり、疲れたら休息し、免疫力を低下させないように注意していれば帯状疱疹にはなりません。しかし人生にはいろいろ予期せぬことがあり、免疫力が低下することもあります。
万一発症したらできるだけ早く受診し、抗ウイルス薬の点滴か内服を1週間受けます。点滴は1日2・3回必要なので入院治療となります。同時に痛み止めの内服や外用薬を併用します。治療が遅れると合併症や後遺症を残しやすくなります。
50歳以上の方は、予防策として帯状疱疹ワクチンの接種を受けることができます。合併症や後遺症のつらさを考えると、ワクチン接種はご検討いただいてよい方法です。