痛みにサヨナラをして、元気に歩きたい!
巻き爪とは、足指の爪が皮膚に食い込んでいる状態です。歩くと痛いだけでなく、じっとしていても痛みを感じる場合があります。痛みをかばって歩き方が不自然になると、足首や膝、腰に痛みを生じることも。巻き爪の原因や治療法を説明します。
巻き爪とは?その原因は?
巻き爪は、陥入爪(かんにゅうそう)と弯曲爪(わんきょくそう)とに分けられます。陥入爪は、足指の爪の両端の先が、周りの皮膚に食い込み炎症を起こして、激しい痛みを伴う疾患です。陥入爪を放置すると、爪が食い込んだ部分に細菌感染を起こすこともあります。陥入爪の原因として最も多いのは、深爪や爪の両端の切り残しなど、不適切な爪切りです。本来、爪には丸まろうとする性質があり、深爪で爪の両端を指先より短く切ると、周りの皮膚の下で爪がどんどん丸まり、食い込んでいくという悪循環に陥ります。その他、足に合わない靴や歩き方の癖、外反母趾、肥満、爪水虫なども原因となります。
弯曲爪とは、爪全体が丸まっている状態をいいます。陥入爪とは逆に、足の指に適正な加重がかからないことで生じることが多いです。足に合わない靴、べた足歩行、爪母下腫瘤などが原因で発症することもあります。
再発しにくいのは手術療法
陥入爪の治療法には、保存療法と手術療法があります。保存療法は、さまざまな方法がありますが、軽症例以外には効果が不十分であることが多く、再発率も手術に比べ高いことが多いです。中等度以上の症例、痛みの強い症例、再発例には手術療法を行います。まずブロック麻酔をした上で、痛みの元となる部分の爪のみを最小限に切除したのち、爪の生える元となる爪母(そうぼ) を丁寧に除去します。術後の出血や疼痛(とうつう)、爪の変形を最小限にするための工夫も行います。
弯曲爪の治療には、矯正ワイヤや形状記憶クリッピングなど、さまざまな矯正器具が使われます。しかし、中等度以上の症例や、厚く硬い爪には、やはり手術療法の方が、効果がより確実で治療期間が短くて済む場合が多いです。手術では、まず抜爪し、爪の下の皮膚爪床(そうしょう)を皮弁として起こします。爪の下の丸まった爪床を平らにし、さらにその深部の骨まで丸まっている場合には骨も平らに直します。その上で、挙上した爪床皮弁を戻して縫合します。術後は平らに修正された爪が再生してきます。保存療法は保険適用外、手術療法には保険が適用されます。
巻き爪にならないためには
まず、深爪を避けましょう。足に合った靴選びも大切です。先の細い靴は巻き爪の原因になります。爪は、指の先に力が加わることで平らになっていくので、正しい歩き方でのウオーキングは予防になります。
日本人の十人に一人は巻き爪を患っているそうです。足指の爪に悩みを抱えている人は、一度、医療機関に相談してみてください。