【東洋医学の知恵をくらしに】食べ過ぎ・飲み過ぎのセルフケア

肝臓、胃腸の機能を整えるツボを刺激する

 年末年始、外食の機会が増えたりご家庭で豪華な料理が並んだりして、たくさん飲食する日が多くなりがちです。胃が疲れたり二日酔いになったりするかもしれません。不調の予防には、飲食で負担がかかる肝臓や胃腸のケアが大切です。そこで今回は、肝臓の代謝機能を高めるツボ「期門」、胃腸の調子を整え消化を促進するツボ「太白」を刺激するセルフケアを逸見愛先生に解説していただきました。

「期門 (きもん)」をマッサージする

 期門は肝臓の機能を高めるツボ。血液や水分の流れをスムーズにして、二日酔いの症状を和らげます。

①期門はみぞおちの高さから指を肋骨へ移動し、肋骨と肋骨の間で、押すと痛気持ちよいと感じるところにあります。

②そこを中心に、こぶしで円を描くように優しくマッサージしてください。飲酒前に行えば二日酔いや悪酔いの予防にも効果的。しゃっくりにもおすすめです。

「太白 (たいはく)」を押す

 太白は消化不良や胃痛、便秘など、消化器系の不調改善に効果的なツボ。食べ過ぎによる胃もたれ、食欲不振の改善に役立ちます。糖質の代謝を高めるので、甘いものの取り過ぎが気になる方にもおすすめです。

①太白は足の親指の骨の付け根、足先をぎゅっと丸めたときにできるシワの先端にあります。

②手の親指をあて、皮膚を動かすように優しく10回ほど押し回します。

【ポイント】

 深呼吸しながらツボを押すと、体がリラックスして効果が高まります。不調やストレスなども外へ出すイメージで、ゆっくり長く息を吐きながら押してください。

【健康メモ】

臓器に対応する5つの味「五味」をバランスよく適量とることが大切

 東洋医学では酸味・苦味・甘味・辛味・鹹かん味(塩辛い)の5つの味を「五味」といい、全ての味をバランスよく、ほどほどの量をとることをすすめています。五味はそれぞれ内臓と関係があり、例えば肝臓が弱ると酸味、胃腸が弱ると甘味を欲しがるとされます。無性に何かが食べたいときは体のバランスが崩れているサインかもしれません。早めに休んで睡眠をとると内臓疲労も回復しやすくなり、体調不良の予防につながります。

逸見 愛

へんみ・あい

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。中野区で主宰する女性限定鍼灸サロンで、「体の内側から健康に美しく」をモットーに美容鍼灸を提供。自宅でできるツボ押しやお灸など、セルフケアの普及に努めている。


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