いつもの「ぶらぶら歩き」を「大股・早歩き」に変えて
自然や景色などを楽しみながらぶらぶら歩く「散歩」に対し、「ウオーキング」は健康増進を目的に、汗ばむくらいの速度・歩幅で歩く有酸素運動のこと。運動不足になりがちな今、おすすめなのがマスク着用でできるウオーキングです。可能な歩数・距離から始めればOK。楽しく無理なく続けることが大切です。
参考資料
公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
東京都福祉保健局「ウォーキングをはじめる!つづける!10のコツ」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」
スポーツ庁「安全に運動・スポーツをするポイントは?」
ウオーキングのメリット
ウオーキングは特別な道具や環境を必要とせず、体に過度な負担をかけずに行うことができる手軽な有酸素運動です。定期的に続けることで、健康増進に役立つさまざまな効果が期待できます。
《生活習慣病予防》
血糖値や血圧を下げる効果があり、がんや心筋梗塞、脳卒中などの発症リスクを下げるといわれています。
《心肺機能、骨の強化》
全身の持久力や筋力など、体力の維持・向上につながり、ウオーキングによる刺激で骨の強さが増しやすくなるといわれています。
《肥満の予防、解消》
ウオーキングは安静時の約3倍のエネルギーを消費するといわれており、余分な体脂肪を減少させることができます。
《ストレスの解消》
心地よいと感じる強度で続けることによって、セロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、気分転換やストレス解消につながります。
ウオーキングの歩数
厚生労働省の方針「健康づくりのための身体活動基準2013」では、18~64歳の男女に対して1日8千~1万歩を目標歩数として推奨しています。
しかしこの一年、外出機会などの減少でこの歩数(身体活動量)に満たない人が大幅に増え、生活習慣病や筋力低下などのリスク増大が懸念されています。運動不足続きの人は、まず可能な歩数から始め、徐々に増やしていきましょう。歩数にこだわるより、普段よりも大股で早歩きするよう心がけると、筋肉が鍛えられて運動効果が高まります。
ウオーキングの流れ
- 材質・・・軽くて通気性がよい。
- つま先・・・指が動かせる程度の余裕がある。
- 土踏まず・・・中敷きで支える形状。
- 甲・・・締め具合を調整できる。
- 靴底・・・しなやかに曲がり、クッション性がよい。
- かかと・・・足をしっかり包み込む形状。
【ウオーミングアップ】
軽い体操や足腰の関節の曲げ伸ばしなどで、徐々に体を温めて血液の循環を促し、関節の動きをよくすることで、けがや足腰の痛みの予防効果が期待できます。
【ウオーキング】
フォームを意識しながら大股で歩きましょう。背筋を伸ばし、肘を90度程度曲げて腕を振りながら、後ろ足の5本の指全体で地面を強く踏み込んで重心を前に移動し、かかとから着地します。ウオーキングの前、途中、終了後には、こまめに水分補給しましょう。体調がすぐれないとき、雨の日は無理をせず休み、疲労感が残る場合はいったん歩数を減らしましょう。
【クールダウン】
運動を徐々に終わらせることが大切です。ストレッチなどは疲労回復を早めます。
楽しく続けるために
小鳥のさえずりや川のせせらぎ、目にやさしい植物の緑、季節の花など、心身ともにリフレッシュできる自然がある場所は、家の周辺にもあるのではないでしょうか?春は桜並木、夏は強い日差しを避けやすい場所、頑張りたい日は坂道のある場所というように、季節や気分に応じてコースを変えて歩けば、飽きずにウオーキングを楽しむことができます。たくさん歩くときは、コース内に公衆トイレや休憩場所を組み込んでおくと安心です。歩数やタイム、体重など、目標を立てて記録をつけるとモチベーションアップにつながります。
- 発熱や咳の有無など、体調に問題がないことを確認してから出かけましょう。
- マスクを着用し、周囲の人となるべく距離を空けて歩きましょう。息苦しさを感じたときはいったんマスクを外し、休憩をとってください。
- こまめな水分補給が大切ですが、その際、飲み口に手が触れないよう注意しましょう。
- 途中で公衆トイレなどを使用した際や帰宅後はしっかり手指を洗いましょう。