胃と会話し、いたわりましょう。それが胃を健やかにする秘訣です。
ダイエット
現代人の関心が高いダイエットも、胃や腸についてきちんと知る必要があると鈴木先生は話します。「それは、意外に思われるかもしれませんが、ダイエットでは食べる嵩を落としてはいけないからです。そうすると、胃や腸の運動量を落とすことになり、エネルギー消費量を減らしてしまうのです」
具体的には、食物繊維の量を多くして、食べる全体量を変えないということです。それにより、胃や腸の動きを減らすことなく、エネルギー消費量を保つことができるのです。実際、鈴木先生が選手に減量を行うときも、食事の嵩は落とさず、エネルギーを目標量だけ落とす方法を取っているとのことです。ダイエットはエネルギー摂取量とエネルギー消費量の差で決まるため、身体の中でのエネルギー消費量を高めればダイエット効果を上げることができます。一般に、身体の中のエネルギー消費量のうち、食事を取ることによる消化吸収で使うエネルギー消費量は約1割といわれており、胃の運動量も大事なダイエットの要素になっています。
胃の調子を考えた食事で健康を維持しましょう
365日、24時間頑張ってくれている胃も、年齢とともにその能力は落ちてきます。そうした、胃の運動量や胃液の分泌量の落ちてきた方は、「食べる量を自分の消化吸収に見合った量に変えたり、ひと口ひと口をよくかんで味わったりすると、胃が喜んでくれます」と、鈴木先生はアドバイスします。
例えば夕飯はいろいろなおかずを食べるので、ご飯はお粥にすると、寝る前も胃に重い感じがなく眠りやすくなります。今の自分の胃に合わせておいしく食べることが重要で、「胃のエイジングを受け入れてあげることが胃をいたわることになります」。
また、年齢に関係なく、胃粘膜が荒れているような場合は、間食などをひかえて、短い時間でもいいので何も食べない時間を設けて胃の粘膜を回復させるようにしましょう。胃の粘膜は回復力があるので、いたわってあげれば元に戻ってきます。胃の調子を考えた食事の取り方をして、健康を維持しましょう。
身体が話す声に従って食生活を見直しましょう
鈴木先生は、私たちが胃を健やかに保つポイントとして、「胃と会話してください」と話します。「胃はいつも私たちに語ってくれていて、痛みやもたれ、胸焼けなどで今の状態を訴えているのです」。そんなときは、「食べ過ぎてしまったかな」「時間をおかずに食べたら、胃に残業させてしまうかな」など、気を配ってあげましょう。
そして、胃は消化という自分の仕事に加え、小腸でしっかり消化吸収が行われるためにも人知れず頑張り、精神的なストレスまで受け止めています。胃をはじめ、自分の身体が訴えている話に耳を傾け、その声に従ってあげることが、日々を健やかに暮らす上で非常に重要です。
そうして胃の声が聞こえたら、どう改善していけるか自分にできることを考えましょう。食べ過ぎ、飲み過ぎ、刺激物、アルコール、生活習慣など、できることはたくさんあるはずです。そうすれば胃もきっと喜んでくれます。ぜひ、胃とうまく付き合い、毎日を心地よく過ごしてください。
《消化に良い食材を取ろう!》
・味噌汁 ・煮込み野菜 ・スープ ・雑炊 ・ヨーグルト など