お金の特徴がよくわかる『殿、利息でござる!』

 2016 年公開の映画『殿、利息でござる!』をご覧になりましたか?

 約250 年前、仙台藩の宿場町で起きた実話を基にした物語です。当時、毎年の伝馬役(宿場町間の物資輸送)にかかる費用を全て負担させられていた吉岡宿の住人は困窮し、夜逃げ者が相次いでいました。そんな中、有志で集めたお金を仙台藩に貸し、藩から利息を受け取って伝馬役の費用を補うという突飛な打開策が持ち上がり、苦労に苦労を重ねて千両(今の価値で3億円)をかき集め、藩に10%の利息(年間3千万円)で貸し出すことに成功。以降は伝馬役負担がなくなり、夜逃げする人もなく、町が栄えたのだとか。

 この映画は、お金を貸し付ければ利息を受け取れ、その利息を地域社会で循環させて人々の役に立たせることができるという、お金の特徴をうまく生かしています。金利についても学べ、宿場町のために皆が力を合わせるという偉業も素晴らしく、人々の喜怒哀楽のドラマにも大変見どころがありました。

 それにしても利息10%とは羨ましい限りです。あまりにも低い金利が続いている現在の日本、この映画が「お金は本来、利息を生むのだった!」と思い起こさせてくれることでしょう。モノの値上がりが続く今、物価上昇率より高い金利で運用しないと、銀行口座内で寝かせているお金は目減りしてしまうことを忘れてはいけません。

監修
芳川幸子

(株)ウィンカム代表

https://wincome.jp

「お金を働かせて増やす方法」を惜しみなく伝授、人生の可能性を広げるお手伝いをする資産形成コンサルタント・ファイナンシャルプランナー。