近年、深刻だと感じるのが、親の介護の問題が相続にまで及んでいること。親の死後、遺産分割の際に兄弟姉妹がそれぞれ、自分たち家族がどれほど親の介護に寄与したかなどを主張して争うケースが数多くあります。スムーズに相続するには、親が亡くなってからではなく、元気なうちに兄弟姉妹で話し合っておくことが重要です。
ポイントは、①誰がどのように親をサポートしていくか、②介護費用以外の費用(親元に行くのにかかる交通費など)の負担をどうするか、③介護のために仕事を休んだり辞職したりした場合の経済的損失をどう考えるか、です。そして実際に介護が始まったら、病状の変化はもちろん、介護者の情報やどのような費用が発生しているかを全員で共有することが大切です。
不動産の名義確認、隣家との境界杭の確認なども早めに行いましょう。境界杭がないと土地の売却がすぐにはできないからです。また親との関係構築の際にエンディングノートを作成しておけば、延命措置や葬儀などで判断を迫られたときに役立ちます。親の財産管理や遺言書の作成など、どうすればよいのか悩んでいるなら、ぜひ家族一緒に専門家に相談されることをおすすめします。